ごきげんよう!元証券ディーラーの公認会計士KYです。
2022年12月頃から、私の保有株でもあるIGポート(3791)の株価が上昇し始め、直近の2024年7月に一時的に私の買値の6倍を超える水準まで株価が上昇する場面がありました。
私は2014年12月にIGポート(3791)の株式を買付けてから、一部を売却しながら、10年近く保有を継続しているのですが、今回は、IGポート(3791)についての取引概要や投資した理由について紹介したうえで、買付けた後の株価推移等についてふりかえっていきたいと思います。
IGポート(3791)の取引概要
IGポート(3791)の取引について概要を把握するためには、やっぱり株価チャートをみるのがわかりやすいですので、まずは次の株価チャートをご覧ください。
こちらは2014年1月から2024年8月までの約10年間のIGポート(3791)の月次ベースの株価推移のチャートになります。
安いところで買って、高いところで売っていますので、もうかってそうですね。
当たり前のことですけど、実際のところは、このようなことが重要だったりします。
なお、IGポート(3791)は、うれしいことに、2024年6月に1株を4株にする「株式分割」を実施してくれていまして、チャートは、その「株式分割」の影響を調整したものになります。
具体的には、2024年5月までの株価については、実際の株価を4で割っているということですね。
ちなみに、「株式分割」とは、株式を発行している会社が、1株を複数に分割し、発行済み株式数を増やすことです。
今回のケースでいうと、1株を4株に分割して各株主の保有株式数は自動的に4倍になるのですが、理論上1株の価値は4分の1になるため、実質的な資産価値は変わりません。
ただし、株価(最低売買金額)が引き下がり買いやすくなることで購入する投資家が増えるといった効果が見込まれ、現状でも株価の上昇要因としてとらえられることが多いこともあって、株主還元の強化策のひとつとして受け入れられています。
IGポート(3791)の取引等履歴
私が2014年12月にIGポート(3791)の株式を買付けてからの取引等の一覧表が次になります。
こちらの一覧表でも、「株式分割」の影響を調整しています。
具体的には、2024年5月までの株価については、実際の株価を4で割っていて、株数については実際の株数を4倍しています。
ですので、私が2014年12月にIGポート(3791)を買付けた実際の株価は1,221円で、実際の株数は200株になります。
また、2014年12月のIGポート(3791)の株式の買付けは、株式等についての売却益や配当金などに対する税金が非課税となる「NISA口座(非課税口座)」で行っています。
2024年1月スタートの「新しいNISA」になる前の、いわゆる「一般NISA」の非課税期間は原則5年間でしたので、2019年1月に非課税期間終了に伴い「特定口座」へ移管されており、(「税務上の買付金額」が時価に置き換わるとともに)評価損益が確定しています。
- 「特定口座」:上場株式等の譲渡益課税等について、個人投資家の申告・納税手続を簡素化するための口座制度。あらかじめ証券会社へ特定口座の申込をすることにより、上場株式等の譲渡益課税等について、証券会社が損益の計算を行い「特定口座年間取引報告書」を交付してくれるようになり、さらに「源泉徴収あり」を選択することにより、証券会社が納税まで行い税務申告を不要とすることもできます。
IGポート(3791)の株式を2014年12月に買付けてから2024年8月まで、10回ほど配当金をもらっていますが、2019年1月より前の4回については税金が差し引かれずに全額もらっているのに対して、2019年1月より後の6回については約20%の税金が差し引かれていることがわかると思います。
ちょっとわかりにくいですが、もちろん、2019年1月より前の2018年1月の一部売却については税金はかかっていませんでしたし、2019年1月より後の2024年7月の一部売却では、しっかりと売却益に対して約20%の税金が差し引かれています。
IGポート(3791)の取引における損益状況
IGポート(3791)の取引における損益状況は次のようになっています。
- 2014年12月の投資額 247,627円
- 総投資額 247,627円
- 2018年1月の一部売却による回収額(手数料・税金差引後) 251,322円
- 2024年7月の一部売却による回収額(手数料・税金差引後) 124,282円
- 配当金等による回収額の合計(税金差引後) 12,864円
- 総回収額(手数料・税金差引後) 388,468円
- 純回収額(手数料・税金差引後) 140,841円
- ポジション時価総額 614,700円
- 累計利益(手数料・税金差引後) 755,841円
IGポート(3791)の取引に関しては、2024年8月末現在で、株式を買付けた金額の247,627円に対して、2回の一部売却で合計357,604円を回収済みで、配当金でも合計12,864円ほど回収できています。
すでに総投資額を140,841円上回る回収を実現できているうえに、2024年8月末現在の時価総額(=保有株数×株価)が614,700円ですので、755,841円のもうけとなっています。
IGポート(3791)に投資した理由
私が2014年12月にIGポート(3791)を買付けた理由というか、きっかけは、当時、IGポート(3791)の子会社が制作してたアニメが面白かったからです。
「えっ」っと声をあげてビックリされた方もいらっしゃるかもしれませんね。
実は、IGポート(3791)は複数のアニメ制作会社等を傘下におさめる持株会社でして、当時としては複数のアニメ制作会社において「進撃の巨人」「PSYCHO-PASS サイコパス」「宇宙戦艦ヤマト2199」等が制作されていました。
いずれのアニメも人気化し、その後にシリーズ化されたものばかりなんですけど、私がとくにお気に入りだったのは「進撃の巨人」だったりしますね。
もちろん、「進撃の巨人」等のアニメが面白かったといったきっかけだけで、IGポート(3791)の株式を買付けたわけではありません。
書籍にもなった私の「株式の長期投資における銘柄選び等の方法論」によってしっかりと検討して、長期投資することができる株式銘柄と判断できたからです。
さすがに、アニメが面白いという理由だけでは投資できませんが、検討しようと思ったきっかけにはなりましたので、どこに投資のチャンスがあるかはわからないものですね。
その「株式の長期投資における銘柄選び等の方法論」についてですが、簡単に説明できるようなものではありませんので、ここでは、これ以上の深掘りはしませんが、興味を持たれた方は是非チェックしてみてくださいね。
正式なタイトルは「元証券ディーラーが株を長期放置で2倍4倍にする方法」といって、ぱる出版から出版されています。
株式の長期投資についての心構えや、銘柄選び、買付けのタイミング等に関する私の方法論などを紹介させてもらっていますよ。
また、目次などは、こちらの記事からチェックできるようにしています。
IGポート(3791)に投資後の株価推移等
ここからはIGポート(3791)の株式を買付けた後の株価推移等をみていきましょう。
再び、IGポート(3791)の株価チャートをみてください。
大きな動きとしては、2018年1月から2月にかけての急騰とその後の急反落、2022年12月頃からの株価の上昇トレンドと2024年4月の急落や7月の急反発といったところが気になるところかと思います。
それらの株価推移についても分析していくつもりですが、その前に私がIGポート(3791)の株式を買付けてから、株価が最大でどこまで下落したのかについてもフォローしておきたいと思います。
投資後にIGポート(3791)の株価がほぼ半値に
私が2014年12月にIGポート(3791)の株式を買付けたときの株価は305.25円(株式分割調整前で1,221円)だったのですが、その後、2015年4月に業績の赤字転落を発表したこともあり、株価は下落を続けました。
2016年1月には157.5円(株式分割調整前で630円)の安値をつけるなど、一時的にですが、48.4%の下落、ほとんど買値の半分になってしまっています。
コワいですねー、恐ろしいですねー。
今回のIGポート(3791)の株価チャートでは、その後に株価が大きく上昇していることもあって、その影響がわかりにくくなっているのですが、株価が買値の半分になってしまうということは大変なことだったりします。
例えば、そのような方はいらっしゃらないとは思いますが、将来使いみちが決まっているものも含めた全財産で、私と同じタイミングでIGポート(3791)に投資された方がいるとしたら、株価が買値の半分になる過程のどこかで、損切り(損失を確定さえる反対売買をすること)せざるをえなくなって、実際そうされてしまっていた方も多いんじゃないかと思うんですよね。
株式の値動きというのは、数年単位の長期でみると、簡単に倍になったり、半分になったりする激しいものですので、そういった特性があることも十分に理解したうえで、投資する必要があるということですね。
私も正直なところ、IGポート(3791)の株式を買付けた2014年12月には、株価が買値の半分近くまで下落するとは思っていませんでした。
まあ、そのようなことがわかっていたら、株価が下落しきるまで待ってから、株式を買付けているはずですよね。
もちろん、今回のケースの私がそうなのですが、将来の株価のことを確実に予測することは誰にもできないと思います。
一方で、株式の値動きが激しいという特性は、下落する場合は大変なのですが、上昇する場合はかなりの魅力となりますので、私なんかは、投資金額や投資のやり方を工夫することで対処していきたいと試行錯誤してきたんですよ。
2018年1月から2月にかけての急騰とその後の急反落
2016年1月に私の買値の半分近くまで下がった後は、IGポート(3791)の株価は回復し、買値も上回るようになっていきました。
そのような流れの中で、2018年1月12日の決算発表が好調で、ストップ高するなど株価がさらに一段高したこともあり、私は637.25円(株式分割調整前で2,549円)で保有株の半分ほどを売却しています。
すでにIGポート(3791)の株価チャートをみてもらっていますので、おわかりになると思いますが、話はここで終わりではありません。
このときの株価上昇には、まだ続きがあったのです。
1月31日に、IGポート(3791)傘下のアニメ制作会社が、米国のインターネット動画配信大手Netflixの日本法人と包括的業務提携するという会社発表をしたことから、3日連続のストップ高を演じるなど株価がさらに急騰し、3月5日には1,108.75円(株式分割調整前で4,435円)の高値をつけるまでになりました。
私の買値からみて約3.6倍の水準まで株価が上昇したことになります。
一方で、私はそれよりも前の段階の約2倍の水準で株式を売却していて、「さぞ悔しかったのだろうな」と心配してくださる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそれほど残念な気持ちはありませんでした。
負け惜しみではありませんよ。
むしろ、「このまま(株式分割調整前で)10,000円を突破してくれ!!」と思っていたくらいです(なかなかの強欲ですが、正真正銘の事実です)。
「頭と尻尾はくれてやれ」という投資格言があるように、最高値で売却することは不可能ですし、むしろ、最高値で売却しようとすることによって売却するタイミングを逃してしまい、評価損の状態まで逆戻りすることはよくあることだからです。
また、2018年1月のIGポート(3791)の株式売却が全部ではなく、半分だけというのもよかったのだと思います。
「頭と尻尾はくれてやれ」の投資格言の本質と同じだと思いますが、売却した後の株価がどうなるかは、おそらくは誰にもわかりません。
今回のように、さらに株価が急騰していくこともありますので、一度に全部を動かすのではなく、半分とか、一部とかで数量を調節することによって、もし売却した後に株価が急騰するようなときは「よかった、残りの保有株でさらなる値上がりをゲットできる!」と考えればいいですし、逆に売却した後に株価が急落するようなときは「よかった、少なくとも売却した株については利益を確定できた!」と考えればいいのだと私は思っていたりします。
こういうことは、ある株式銘柄を最初に買付けるときにもいえて、例えば、最初からその株式銘柄に投資できる金額の全額を投入するのではなく、その半分とか、一部とかにとどめて様子をみるといった、投資金額や投資のやり方の工夫を考えてみるのも手なんじゃないかと思っていますよ。
さらに、すでにIGポート(3791)の株価チャートをみてもらっていますので、おわかりになると思いますが、話はここで終わりではありません。
このときの株価急騰には、まだ続きがあります。
IGポート(3791)の株価チャートにあるように、3月5日に高値をつけてからは、急騰したのと同じようなスピードで、株価が急落していっていることが見受けられますね。
株価が一旦、下げ止まるのは2018年7月で、そのときの安値は348円(株式分割調整前で1,392円)と、2018年1月に私が売却した水準である637.25円(株式分割調整前で2,549円)を大きく下回ってしまっていました。
ここで少し考えてみてほしいのは、3月5日に1,108.75円(株式分割調整前で4,435円)の高値をつけたということは取引が成立したということですので、その株価でIGポート(3791)の株式を買付けた方がいらっしゃるということです。
その方がいつ株式を売却されたのかはわからないのですが、7月の安値はわずか4か月くらいで高値の3分の1を下回っていますので、自分が買って、そこまで保有していたらと思うとゾッとしてしまいますよね。
コワいですねー、恐ろしいですねー。
2022年12月頃からの株価の上昇トレンドと2024年4月と急落や7月の急反発
IGポート(3791)の株価チャートからもわかるように、その後のIGポート(3791)の株価は、高値は500円(株式分割調整前で2,000円)台半ばくらいから安値は300円(株式分割調整前で1,200円)弱くらいの間で推移していましたが、2022年12月頃から上昇トレンドに入ったといえるでしょう。
2022年12月は大人気のアニメタイトルである「SPY×FAMILY」のテレビアニメ続編の制作とオリジナル劇場版の制作が発表されていますが、発表当初はそれほど株価は反応しておらず、じわじわと上昇している感じですので、あまり関係はなかったのかもしれません。
一方で、2023年1月、4月、2024年1月、4月と主に利益面についての業績予想の上方修正が続き(売上高については一部下方修正あり)、そのような利益面の好調さが、2022年12月頃からの株価の上昇トレンドの要因なのだろうと推測できます。
ただし、2024年4月12日の業績予想の上方修正に関しては、2024年6月に1株を4株にする「株式分割」の実施というグッドニュースとの同時発表だったのにもかかわらず、株価が急落してしまいました。
発表前の株価は1,487.5円(株式分割調整前で5,950円)だったのですが、5月にはそこから951円(株式分割調整前で3,804円)の安値まで下落する場面がありました。
いわゆる「材料出尽くし」の売りということで、好業績などが予想されていて、ある程度以上はそれが株価に反映されていて高値圏にあるような場合は、よっぽど、事前予想を上回るような好業績でないと、株価が上昇しないどころか、大きく下落するといった現象が起こってしまうという、その典型例といえるのでしょう。
ただ、このケースでは、2024年6月に1株を4株にする「株式分割」の実施というグッドニュースとの同時発表だったこともあり、私はさらなる株価上昇を信じて疑っていなかったため、下落している株価をみて、心底ビックリしてしまっていましたね。
また、このような急落から、今回の株価の上昇トレンドはここまでかなと、ちょっとだけ落胆してしまっていましたよ。
ところがどっこい、2024年7月12日の決算発表では、将来の2025年5月期の強気な業績予想も背景に、翌営業日の7月16日には株価がストップ高して1,461円、そのまた翌営業日に私がその1,461円で株式を一部売却しています。
2024年7月末の日銀金融政策決定会合における利上げ発表や今後の金融政策の方向性に関する日銀総裁の会見、8月に入ってからの米国の雇用統計が不調だったことなどから、とくに日本の株式相場全体は大混乱に陥り、8月5日には日経平均株価の下げ幅が過去最大となったりしました。
IGポート(3791)の株価はというと、そのような大混乱の後でも、年初来高値を更新し、8月末には2,049円、もともとの私の買値の約6.6倍の水準となっていて、なかなか力強い感じです。
4月の業績予想の上方修正発表後の急落は一体何だったのかと思ってしまいますね。
ここまで、私がIGポート(3791)の株式を買付けた後の株価推移等をみてきましたが、いかがだったでしょうか。
私の実感としては、とにかくビックリさせられっぱなしの約10年だったように思います。
2018年1月から2月にかけて急騰した後の急反落や、2024年4月の業績予想の上方修正発表後の急落、その続きとしての2024年7月の決算発表後の復活などなど、色々とありましたからね。
ただ、それらのビックリさせてくれる株価推移等も含めて、魅力的なアニメを数多く制作してくれている企業グループであり、株式を保有する楽しみが多い会社ですので、私としてはずっと保有を続けていくつもりです。
これからの株価については、この銘柄はとくによくわからないというのが本音ですけど、ここまできたら私の買値の10倍には到達してほしいですね。
そしたら、多分、一部は売却すると思いますけど。
以上、公認会計士KYでした!!
みなさんが最高の相場に巡り合えますように!